Casca I(Film Camera)の最近の記事

2017年1月17日

Casca Iで相国寺の法堂を撮る

Kyoto #10 by Hiro _R on 500px.com


Casca I
Steinheil Munchen Culminar 50mm f/2.8
50mm/f/2.8
1/50s/ISO 100
Film: Fomapan 100 Classic
Effect with Photoshop CC/ Nik Silver Efex Pro2


やっとネガ現像を取りに行ってきました。Casca Iで以前京都の相国寺を撮った時の写真です。京都御所の北の門,今出川御門の前の通りを北上すると相国寺があります。同志社大学の今出川キャンパスの隣に位置します。


相国寺は室町時代の1392年に完成しています。法堂はこの寺院の中心的な建築物であり,「蟠龍図(ばんりゅうず)」という天井画が有名です。狩野光信の筆とされ彩色も大変綺麗に残っています。特定の場所で手を打つと反響するため「鳴き龍」と呼ばれます。円の縁あたりで叩くと,鳴いているように響き,立つ位置がずれると聞こえません。


この法堂は足利義満の命により建立されましたが,その後火災や応仁の乱などの戦火により,何度となく焼失しています。江戸時代初期の1605年,豊臣秀頼の寄進により,5回目の再建となり日本で最古の法堂建築となっています。


カルミナー50mmf/2.8レンズ


二枚目の写真にあるようにCasca Iに付いているカルミナー50mm f/2.8のレンズは交換レンズはありませんが,外すことができます。同じカメラどうしならレンズが傷んだ場合に交換可能です。撮影フィルムは,「Fomapan 100 Classic」を使いました。幅広いグレーの階調を表現できる特色のあるフィルムです。写真の法堂前の松林の木々のディテールがきれいに出ています。Photoshop CCでトーン補正のみ行い, Nik Silver Efex Pro2でソフトセピアを適用しました。中央には参拝後の着物姿の女性が写っています。法堂との対比のため被写体に入れました。

2017年1月 2日

Casca Iで日本橋の商店街を撮る

Osaka #13 by Hiro _R on 500px.com


Casca I
Steinheil Munchen Culminar 50mm f/2.8
50mm/f/2.8
1/100s/ISO 400
Film : Agfa Vista 400
Effect with Nik Silver Efex Pro2


Casca Iで撮影した写真の続きです。大阪難波駅から日本橋へつながる途中の商店街です。ここは雑多な感じが面白い場所です。夕刻で段々と居酒屋に立ち寄る人々で多くなってくる時間帯です。この写真はもともとカラー写真だったのですが,モノクロに変換し,「Nik Silver Efex Pro2」でダークセピアのフィルタを適用しています。


カスカⅠの写真


Casca Iに付属しているカルミナー50mmのレンズは,交換レンズがなくこの一本しか使えないカメラです。外すことはできるのですがCasca Ⅱの交換レンズ4本とは互換性が全くありません。同じ会社のカメラなのに,この辺りは不便だと感じます。夕刻の写真ではシャープに写っています。コントラストもいいです。カラーもきれいでしたが,この場所はモノクロの方がいいと感じました。この写真は500pxに投稿しました。

2016年12月30日

Casca Iで夜の難波を撮る

Osaka #10 by Hiro _R on 500px.com


Casca I
Steinheil Munchen Culminar 50mm f/2.8
50mm/f/2.8
1/25s/ISO 125
Film: Ilford FP4 Plus 125


やっと「Casca I」というカメラでの撮影と現像に漕ぎつけました。南海の難波駅付近と心斎橋の商店街などを撮影してきました。ファインダーが小さく見にくいカメラですが,「Culminar 50mm f/2.8」というレンズの写りはなかなかいいことが分かりました。さすが老舗レンズメーカーのシュタインハイル社のレンズだと感じます。ちょっと暗すぎるかもしれないと思いましたが,Ilford FP4 Plus 125フィルムの柔らかな階調にも助けられて黒潰れせずに写っていました。また、夜の照明の光も淡くほんのり写りました。


ところで,以前このカメラのフィルムの巻き戻し方法が分からず,その後色々と調べていました。Casca Iというカメラはフィルムを送るダイヤルと巻き戻しのダイヤルが同じです。巻き戻しの際はこのダイヤルを上に引き上げると巻き戻せると思っていました。購入した際もそのような説明を受けました。


Casca1の巻き戻し用ボタン


しかし,それだけでは巻き戻せませんでした。ダイヤルの横にある飾りと思っていたボタンが実は重要でした。二枚目の写真のシャッターボタン横にある青色で囲った黒い平らなボタンです。その下に矢印があり,初めは意味が分からなかったのですが,その後この方向に平らな黒ボタンを力を入れて押していくと,シャッターボタンが降りたままになることが分かりました。


シャッターボタンを降ろしたままにして,巻き戻しダイヤルを引き上げて回していくと,フィルムが巻き上がりました。そしてやっと現像に出せたといういきさつでした。取説もない,マイナーなカメラなので細部まで操作方法が分かりにくいのが難点でした。


Casca 1にフィルムを入れたところ


最後の写真はフィルムを入れたところです。当時のカメラとしては珍しく,弁当箱のように上下にカメラの裏蓋が開きます。ライカのように底蓋を開いてフィルムを入れる方法とは全く異なります。Casca Iはフィルム自体は填め込みやすいのですが,スプロールの溝にフィルムを入れてフィルム送りをする際は空回りしてしまいなかなかうまくいきません。最近何本かフィルムで撮るようになってようやく慣れてきましたが,最初はフィルム送りも大変でした。厄介なカメラです。当時あまり売れなかったのもよく分かるような気がします。

2016年12月 4日

Casca Iを使ってみて

Casca Type1を使ってみる


少し前に中古カメラ屋を回っていて見つけた「Casca I」というカメラ。美品ではありませんでしたが使用には問題がなく,以前から興味があったカメラだったので購入しました。前回の記事で紹介した「Steinheil Munchen Culminar 135mm f/4.5」というレンズを作っている同じ会社のカメラです。


シュタインハイル社の歴史は,1855年,ミュンヘンにシュタインハイル光学設立所を設立したところから始まります。設立者は,フーゴ・アドルフ・シュタインハイルとその父カール・アウグスト・フォン・シュタインハイルでした。息子のフーゴは光学の研究を専門とし,友人のフォン・ザイデルとともに1866年にアプラナート(Aplanat)とよばれる非常に優れたレンズを開発しました。このタイプのレンズは撮影距離の変化に対する収差変動が少ないので,歪曲収差がほとんどないという優れた特色を持っていました。そのため,世界各国で半世紀以上にわたり多くのカメラに装着された大ヒットレンズとなりました。3代目のルドルフ・シュタインハイルも優秀なレンズ設計者であり,28歳で社長となり,有名なオルソスチグマット(Orthostigmat)などのレンズを開発しました。


こういった歴史を鑑みると,シュタインハイル社は相当優秀なレンズメーカーであることがわかります。戦前からライカのファインダーも作っていました。一方で,カメラの開発にも乗り出していましたが,レンジファインダーカメラは二機種しか発売しませんでした。その一つが写真の「Casca I」(1948年)です。その後「Casca 2」(1949年)が発売されています。カスカ 1は距離計を除いた普及版のようなカメラとして販売されました。


カスカとは,C.A.Steinheil Cameraの頭文字を繋げてできた造語です。C.A.Steinheilとは,設立者の一人「カール・アウグスト・フォン・シュタインハイル」のことのようです。このカメラは第二次世界大戦後間もない1948年に登場したフォーカルプレーン式シャッターを備えた全金属製の35mm判カメラです。このカスカ1型のレンズは「Culminar 50mm f/2.8」のみで,交換ができません。私が使っている「Culminar 135mm f/4.5」レンズは,カスカ2型のカメラで交換レンズの一つとして発売されています。


カメラ前部のレンズの隣にある大きな丸いノブを回してピントを合わせを行うというかなり変わったデザインとなっていますが,距離計が省かれているので,私が以前よく使っていたLeica M1と同じ感覚です。つまり無限遠を基本として,それ以外は大体の目測でノブを回しながら距離感をつかむという勘の世界です。レンズにはメートル表示の距離が刻まれているので,今回は撮影するにあたり,この表示を目安にしました。


Casca type1の裏側


三枚目の写真はカメラの裏側です。シャッタースピードの調整がユニークです。スライド式になっていて動かしやすいのですが,反面,カメラバッグに入れていたら,いつの間にか動いていて困りました。特に1/1000秒,1/500秒,1/250秒のシャッタースピードの位置が大変狭く,よく見ないと位置がズレてしまいそうでした。一回一回位置をきちんと確認しないといけません。


Casca1のシャッタースピード


Shutter speed selector slide(Casca 1)


フィルムを送るダイヤルと巻き戻しのダイヤルが同じという部分も大きな特色です。ライカのM型やバルナック型では,送る側と,巻き戻し側は左右別になっています。これは便利と思いきや,撮影し終わった後に,巻き戻しをしようとしたらできませんでした。何か引っかかる感じがして動きませんでした。いきなりトラブルです...。使用方法は中古カメラ屋で聞いたのですが,同じダイヤルという構造が,どうも私には使いにくくて困ってしまいました。また書籍やカメラ屋で聞いたりして,巻き戻し方を調べてみます。「Casca I」についての続編はまた記事を書きます。


参考記事:「The CASCA cameras of 1948-49
参考書籍:「世界ヴィンテージ・カメラ大全